不可侵領域 【宇宙英雄ローダン・シリーズ 348】

Nr 695 【不可侵領域】 エルンスト・ヴルチュク

惑星エルトルス上でラール人のSVE艦にエネルギーを供給する謎のピラミッド。
そのピラミッドを巡り、太陽系帝国のレジスタンス組織たるエルトルス解放・ユ・iEBK)と、ラール人体制派のエルトルス利益党(PEI)との戦いが始まる。

やがてピラミッド進入に成功したEBKを待・トいたのは、精神体とな・ス公会議の一種族マスティベック人だ・ス。

このマスティベック人が説明されていらヌむと、精神体とはいえ超知性体の域までは達しておもy、何やら本国版1,000巻以降に登場する「深淵の騎士」の先駆者種族のポルライト人を彷彿させる。
マスティベック人が、この後の展開でもあまり記憶の残・_躍をしていないところをみると、ここで使いこなせなか・ス設定をポルライト人で復活させたようにも思える。

結局はエルトルス人同士の内輪もめで双方ともに戦力を酬ユし、漁夫の利を得たのはホトレノル=タアク率いるラール人だ・ス・・・。

それにしても、どうa}このところ、敵側から送り込まれたスパイという設猪b多い。
ひょ・ニして、このあたりのエピソードが書かれた1970年代当時の「007シリーズ」の影響か

Nr 696 【平和の使節】 ウィリアム・フォルツ

またまた新たな公会議種族グライコ人の登場だ。
その性格は、どこまでも悩天気で相手を疑うということを知らない究極のお人好しという設猪b異彩を放・トいる。

さらに、このグライコ人に、銀河系種族の隷属の踀ヤを知られまいと奔走するホトレノル=タアクとレティクロンのやり取vbなかなか面白い。

※ 「あとがきにかえて」で、前半エピソードの作者エルンスト・ヴルチュクの訃報が紹解黷トいた。
ヴルチュクといえば、だいぶ前の「あとがきにかえて」で、やがてシリーズのプロット作家(作家チームのリーダー)になる、と紹解黷トいたのを思い出す。
今回のエピソードは、リーダーになるはるか前の年に書かれたものであらキとを考えると、改めて本シリーズの息の長さが感じられる(-人-;)

天璋院篤姫 【宮尾 登美子】 講談私Eカ庫

NHK大河ドラマ「篤姫」の原作である。
何とも重苦しい読後感だ・ス・・・

この小紳刊行されたのは昭和59年というから、15代将軍慶喜の評価がまだ低か・ス(徳川幕府をつぶした愚かな将軍との評価)時代で、篤姫d兼膜凾Bトいたと書かれている。

慶喜については、管理人も以前は、徳川幕府を潰した愚かな将軍と認識していたが、本木雅弘の「大河ドラマ 徳川慶喜」のときに、踀
ロはいろいろな複雑な事条・ꀀり、単純に評価すらキとはできないとの認識を新たにしたものだ・ス。ただし、あのドラマのテーマ曲は陰鬱で、聞くたd・後味が悪くなる感じがして嫌だ・ス記憶がある。

そうした慶喜の描かれ方にも興味を持ちながら本作を読み進めてい・スが、将軍家の御台所となるところまでは坂を上・トいくような期待感が感じられたが、それ以降となると、やたら毒殺の話が多く、・「イメージがつきまとう。
や・ニ最後の場面にな・ト、篤姫の義理の孫に当たる家達の「現役御台所の扱いで葬儀を」の言葉でぐ・ニ来て、少しは救われたた感じがしたが。

ドラマの設定とはだいぶ印象が異なる。
篤姫、幾島は近いが、おしがの方はきつい性格、本寿院はおとなしい性格とな・トいる。また、幾島は、慶喜の14代将軍擁立に失敗してまもなく引退し、それ以後は滝島が篤姫の最も近い存在とならキとにな・トいnラ、ドラマではどうなるか。また、後半の第二の主人公として、第14代将軍御台所で篤姫の義理の娘となる和宮が登場すnラ、堀北真希がこの大役をこなしきれるか。

原作では慶喜があまりよく書かれておもy、島奪ャ彬たちがなぜ「英邁」と判断し将軍擁立をたくらんだのかは判もyじまい。ドラマの設定では、いかにも「きれる」と思わせる言動・表条・ゥいまみえるので、それなりに納得できる。

篤姫の夫たる13代家定の設定についても、ドラマの方が掘り下げて描かれている。これには堺雅人の演技力に負うところが大きい。

西郷隆盛、大久保利通との接点はなく、小松帯刀に至・トは名前すら出てこない。

とい・スふうに、この原作とドラマとではだいぶ設猪b異なる。これには、ドラマの方が圧倒的に時間が長いことに隠ヲ、原作が書かれてから時間が経・スことによる歴史的新事踀フ判明などが考えられる。
したが・ト、これまでの明るいドラマ設猪b霜Zに変えられらキとは想像し難く、後半a}の路線で続けられるものと期待できる。

蛇足だが、この原作は、あまり登場人物にセリフを語s_ず、作者の説明でたんたんと話を進めるスタイルとな・トいる。インターネットの他の書評を読むと、格調高いとか書かれていnラ、管理人には単純に読み・轤「という印象が強く残・ス。
原作は原作、ドラマはドラマ、と普段は割り切・トいnラ、この作品に関しては読まなきゃtY・スかなあとちょ・ニ後悔した

ナイト ミュージアム

肩の帰轤ネい楽しい作品である。
夢見がちで仕事が長続きしない中年男の主人公が選んだ新しい仕事が、博物館の夜間警備員。
しかし、その博物館には毅ュべき碑bェあ・ス・・・

別居中の息子にその碑a`夜になると展示物に命が宿り、動き出す~を見せようと呼d佼せたところ、前任の警備員たちの陰謀に巻き込まれ、大騒動に!

主人公にいろいろアドバイスをくれる蝋人形役のロビン・ウィリアムスがいい味を出している。
また、とaEると、別居中の妻gG子にバカにされる主人公という設猪b多いが、この映画の場合はそのようなことはなく、起こ・ス顔を見せながらも、心配したり励ましたりと、ほのぼのとした雰囲気が伝わ・トくる。

疲れを感じたときに見ると、蠀炬を与えてくれる一作だ

温室惑星ローズガーデン 【宇宙英雄ローダン・シリーズ 347】

Nr 693 【温室惑星ローズガーデン】 H・G・エーヴェルス

プローン艦疎守・ヘ室惑星に潜入するツバイ、ロルヴィク、ア・ハイヌの三人組。テレポーターのツバイがいるにも関わもy捕ま・トしまうが、敵が守・トいるものをモルケックスと見抜く。というのを、さすがツバイというより、「5次元放射が・・・」という理由で即モルケックスに結d・けるのは・・・。

も・スいぶ・ト登場してきたクローム=ハルボーグというのがあ・ウり死んでしまうが、何かの伏線なのか、もう少し経・トみないと判らないようだ。

※ 本編で初めて気・「たことがある。ロルヴィクがサイノ人とテラナーを親に持つ半サイノ人だ・スのだ。
どうやら、ロルヴィクの素性に関する記述の部分を読みとばしていたようだ。

Nr 694 【対モルケックス爆弾】 ハンス・クナイフェル

ローダンとプローン女王の心理戦。
前巻a竄、だ・スが、本編も日本の戦国時代の和議を見ているようだ。このころ、ドイツの執筆者たちは日本の時代劇でも見ていたのだろうか

宇宙空間でのローダンと女王との駆け引きの一方で、地上ではグッキーの工作作戦が展開される。ここでcャ代劇よろしく、いつものグッキーの完璧さにはほど遠く、テレポーテーションのちょ・ニした誤差など、人間臭いミスではらはもzせる場面が展開される。

※ 当サイトを開設するに当た・ト、それまで数年間飛ばし読みしていたローダン・シリーズをじ・ュり読み込むようにな・スが、二千話を超えるストーリー全体の中でも地味なサイクルではあnラ、時代劇を思わせる語り口など、また新たな魅力を見つけたような気がする

地球死す 【宇宙英雄ローダン・シリーズ 25】 ハヤカワ文庫SF

Nr 49 【地球死す】 クラーク・ダールトン

いよいよ「銀河の謎~永遠の生命の星」の謎が明らかになる。

Nr 50 【アトラン】 K.H.シェール

ローダン・シリーズの超大物、もう一人の主人公とも言えるアトランが登場する。

※ この第10巻の表紙絵が、管理人の一番のお気に入りである。プラチナ・ブロンドの長い髪、氷のような冷たさも感じられる表情は、まさに銀河一の絶世の美女とい・ス風貌である。

死にゆく太陽の惑星 【宇宙英雄ローダン・シリーズ 9】

Nr 17 【死にゆく太陽の惑星】 クルト・マール

「銀河の謎」探索の続きである。
フィクティブ転送機により惑星トラムプに飛ばされたスターダストⅡ。ネズミ=ビーバー種族の住むその惑星で、ローダンたちは、また一つ永遠の生命の星の碑bノ迫る。その星が太陽もなく孤独で銀河空間を動いていらキとに。

Nr 18 【ツグランの反徒】 クラーク・ダールトン

トラムプを飛び立つスターダストⅡには、一体の若いネズミ=ビーバーが潜り込んでいた。
その一体のいたずらのおかげで、スターダストⅡは図もyもアルコン帝国版図の惑星ツグランに着陸する。
やがて見つけ出されたネズミ=ビーバーはグッキーと名付けられ、そのテレキネシス能力、テレパス能力で窮地に陥・スローダンたちを助け出す。

※ ローダン・シリーズにおいて、アトランと销ナ、以後、鎗恂キるグッキーが登場する巻である。

銀河の時空を抜けて 【宇宙英雄ローダン・シリーズ 8】

Nr 15 【銀河の時空を抜けて】 クラーク・ダールトン

いよいよ「銀河の謎」探索の本格的スタートである。

銀河の謎は、不死族がヴェガ星系惑星フェロルに一万年前に仕掛けたもの。その不死族も今ではほとんど死に絶え、残りはただひとりの「不死者」と推察するに至る。

その謎解きの途中で、一万年前に地球を訪れていたアルコン人がフェロルも訪れていて、アルコン科学でも踀 サできていない物質転送機を目にしていたことが判明する。

不死者のセットした時間転換機で、一万年前のフェロルに移動させられたローダン一行は、アルコン人ケルロンと接触し、謎解きのヒントを入手し、現在時間に戻・トくnラ、過去で過ごした3日間は現踀條ヤではわずか30分に過ぎなか・ス。
そのとき、傍らにいたロボットがこう発言する。「不死者はどんな姿cハていない」と。
少しずつ正体を現してくる不死者。

著者のダールトンは、このとき以後のストーリーをそれほど想定していなか・スことが判る。このケルロンこそ、あと十数巻で登場し、ローダン・シリーズのもう一人の主役として鎗恂キらキとになるアトランその人のはずだ・ス?

Nr 16 【ゴルの妖怪】 クルト・マール

舞台はヴェガ星系第14惑星のゴル。
序盤から中盤までは、光球状のエネルギー生物との格闘シーンが続く。あれ、銀河の謎はどこに行・スの? という感じの展開だ。
ローダン・シリーズでは、いよいよこれからというときにほとんど関係のない話が挿まれらキとがしばしばあるので、焦・トはいけない さらに、関係のない話と思・トいたのが、踀ヘ重要な伏線だ・スことが激Hi譁セすらキとがあるので、気を抜けない。

本巻でも、終盤にな・ト突然、銀河の謎解きに話が戻・トくる。
今度、発見したのは「フィクティブ転送機」。送り側と受け入れ側のセットで機能する一般の物質転送機よりさらに発達した、受け入れ側を必要としない転送機だ。スター・トレックではポピュラーだが、ローダン・シリーズでは意外と高等技術に設定されているのがこの転送機だ。

このフィクティブ転送機により、ローダンたちはスターダストⅡ内に戻され、さらに未知の銀河に飛ばされる。不死者の超科学力に圧倒されるシーンだ。

※ それにしても、表題の「銀河の時空を抜けて」。なんて素敵な題名だろうか

時間地下庫の碑a@【宇宙英雄ローダン・シリーズ 6】

Nr 11 【ミュータント作戦】 クルト・マール

ヴェガ星系を太陽系と誤認して攻撃するトカゲ人間のトプシダー。
直径60mの球型搭載艇グッド・ホープで援護に向かうローダン。
正攻法では、とてもトプシダー艦隊には適うわけがない。
そこで、テレポーターのタコ・カクタ、雛汪痰フウリウ・セングらミュータント部隊の活躍により、トプシダー戦艦の奪取に成功する。


Nr 12 【時間地下庫の碑az クラーク・ダールトン

トプシダーから奪慈ョた直径800mの球型戦艦はスターダストⅡと命名される。のちに太陽系帝国艦隊のスターダスト級として量産されらキとになる戦艦の第一号の誕生である。

ひとまず、スターダストⅡでトプシダー艦隊を蹴散らしたローダンは、惑星フェロルで、高度な技術の産物である物質転送機を発見する。五次元超空間理論を解しないはずのフェロン人には作れない代物だ。では、い・スい誰が作・スのか?
いよいよ「銀河の謎」探索のスタートである。

フェロン人から「太陽より長く生きりa物」の伝説を耳にしたローダン。またもやミュータント部隊の活躍によjホ間地下庫に隠された転送機の製造方法を入手。
しかし、入手したのはそれだけではなか・ス。「永遠の生命の星」の事bかり。
クレスト、トーラの元々の宇宙探検の目的a竄黷セ・ス・・・。

※ このフェロン人が、5万年前のハルト人の攻撃から難を逃れ、ヴェガ星系へ住み着いたレムール人の末裔と判るのは、だいぶ後(日本版200巻以降の「カピンサイクル」)のことである

鬼のすべて 【鯨 統一郎】 光文私Eカ庫

「う・v、最初に読み始めたとき、「これはしま・ス」と思・スが、「まあ、冷植ノ読み進めよう」と気を取q唐オて・・・。

最初にショッキングなシーンがいきなり出てきたときの感想が純]。
同じようにショッキングな話がクライマックスに出てくる。

この物語を読むときは覚悟のうえ読んでもらいたい。
その点だけ気をつければ、よく練られた、十分読みごたえのある作品である。

主人公はちょ・ニ頼りない女性刑事。女友達が殺されたことから犯人探しが始まる。ここに鬼伝紳重厚に絡んでくるのだが、それぞれの登場人物の性格設猪bは・ォりしていて読みやすい。最後の謎解きもひねvb効いていて納得がいく。

この作品は、鯨ワールドの中でも一、二位を争う傑作になるのではないか。
難点を一つだけ挙げればタイトルか。鬼の「すべて」というのは、いかにも蠀シすぎる。題名にもひとひねり効かせてもらいたか・ス。
でも、十分すぎる出来である。ぜdFA読んでもらいたい一作である

タイムスリップ釈迦如来~鯨 統一郎 著~講談私Eカ庫

鯨統一郎のタイムスリップシリーズの第三弾である。
前作の「タイムスリップ明治維新」に比べると、だいぶ調子を取り戻してきた感じで、解説にもあnラ、かなり軽妙なタッチのミステリに仕純I・トいる。

タイムスリップシリーズということで、一応、麓うららが出てくnラ、今回の主人公は、うららの入学したダイビングスクールのインストラクター、吉野公彦である。

この二人がブッダの時代にタイムスリップして、現代に戻るために、中国の老子とギリシアのソクラテスを、ブッダの弟子に取り込もうする。一人また一人と弟子を隠ヲりU盤から中盤は、軽快なテンポでストーリーが進んでいく。

ところが、終盤のブッダ組対ソクラテス組の舞台対決がいただけない。
マツケンサンバとかB’zのラブ・ファントムのくだvbはしゃぎ過ぎの感じがして、なぜソクラテスがこのような歌を知・トいるのかの説明がない。ひょ・ニしてソクラテスもタイムスリップしてきた現代人か、と一瞬期待したが、そうではなか・スし・・・。
最後のオチも、もうひとひねり欲しか・スような・・・。なぜ、吉野公彦がタイムスリップしたのか、など。
現代に戻ると、歴史がちょ・ニだけ変わ・トいたというお決まりのオチは健在だ・スので、まあ、・ョとするか、とい・スところだ。

肩の帰轤ネい、鯨ギャグ満載の娯楽作品としてお薦めである