ピンポーン!
予定していた時間にチャイムが鳴った。
一瞬、きららのことを考え、回りを見渡したが、見当たらない。
多分、部屋の奥の方にいるのだろう。
インターフォンで応答し、いそいそと玄関へ向かう。
玄関ドアを開けて、客に声をかけた途端、何か灰色っぽいものがトコトコと脚の間をすり抜けていった。
あっ、きららだっ!
いつの間に廊下を走ってきたのだろう、と思う間もなく、玄関前のポーチを一直線に進み、何の躊躇もなくそのまま表の歩道に出ようとする。
客もびっくりして、おっとっとっと・・・。
挨拶もそこそこに、きららを捕獲に玄関先に飛び出して・・・。
すんでのところできららをキャッチできた
アウリスのときは、脱走に非常に気を遣って、サッシ・ドアを開けるときは必ずケージに入れるようにしていた。
そのため、自然と外を怖がるようになっていたのか、たまにサッシを開け放しにしても、自分から外に出ようとはせずに、たかとらの方もサッシの開け閉めには無頓着になっていたようだ。
そのアウリスに比べると、怖いもの知らずのきらら。
外に出る空間を見つけようものなら、どどっと駆け込んで行く。
もう一度初心に還ってドア・サッシの開け閉めには気をつけることとしよう。